あらすじ
源氏が紫の上の看病で長く不在であったころ、女三の宮が懐妊した。源氏は柏木の贈った恋文を見つけ、すべてを悟る。j自らの罪の重さに耐えかねて、柏木は病の床についてしまった。
女三の宮が男子(薫)を出産した。源氏は子の顔だちが柏木にそっくりで人々の物笑いの種にはならぬかと、慶事を喜ぶ気にもなれない。女三の宮は出家を望み、下山した父朱雀院の許しを得て髪をおろしてしまった。夜、女三の宮についた物の怪が言う。「紫の上についた物の怪を追い払ったつもりでいるのが悔しかったから、女三の宮にとりついていたのだ。今は退散しよう」と。女三の宮を出家させたのは、六条御息所の霊だった。その後、重く患っていた女三の宮はうそのように回復した。
柏木は見舞いにきてくれた夕霧に、源氏の不興を買ってしまったことを悔い、自分の死後には許してくれるようとりなしてほしいと頼む。そしてまもなく息を引きとった。
木村朗子(田口榮一監修『すぐわかる源氏物語の絵画』東京美術より)
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