あらすじ
朝顔の姫君は父宮(桐壺帝の弟)が亡くなったので斎院を退いた。情趣にまかせた歌や文のやりとりはあるものの決してなびかない朝顔のもとへ、源氏は悔しさもあって足繁く通う。父亡きあとの邸は頼りなげで女房たちは源氏の世話を願うのだが、朝顔はいまさら浮名を流してどうなることかと頑なである。
紫の上は気もそぞろに夜離れがちな源氏を悲嘆する。朝顔の父は亡き桐壺院の兄弟であって身分も高い。そのような人を迎え入れれば自分は蹴落とされてしまうだろう。雪の積もった月夜の晩、庭で雪遊びをする童たちを眺めながら源氏は、紫の上に縁ある女君たちの話をする。朝顔、花散里、朧月夜、明石の君、そして藤壺。その夜、夢に藤壺が現われ「決して漏らさぬと言ったのに、、、」と強く恨む様子である。取り憑かれたようにうなされているところを紫の上に揺り起こされた。源氏はそこここの寺で藤壺のためとは告げずに密かに供養をさせた。
木村朗子(田口榮一監修『すぐわかる源氏物語の絵画』東京美術より)
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