あらすじ
東宮の元服があるというので、六条院では明石の姫君の裳着を急いだ。腰結役には秋好中宮を頼んで姫君の格上げをねらい、東宮入内への準備がすすめられた。源氏は姫君にめずらしい薫香を持たせようと、方々の女君たちに薫物合わせを依頼する。源氏は、匂いの出来栄えで勝ち負けを決めようと言い出し、自身も負けじと秘伝の調香をするのだった。香りをたしなむのに具合のいい雨のしめりが少しある頃、蛍兵部卿宮がやってきたので、判者を頼んだ。娘を持たない蛍宮は家に伝わる万葉集や古今和歌集を源氏に献上し、姫君入内に助力する。
こうして源氏方で入内のことが盛大にすすられているのを横目に、内大臣はわが娘雲居雁の処遇に苦慮していた。いったんは夕霧から引き離したものの、つまらない結婚をさせたくもない。夕霧のほうからもう一度結婚の申し出をしてくれないものかと思い悩んでいる矢先に、夕霧の縁談の噂が耳に入った。
木村朗子(田口榮一監修『すぐわかる源氏物語の絵画』東京美術より)
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