あらすじ
暑い盛りのある日、夕霧、柏木や若い公達が集まり、源氏と共に釣殿でくつろぎ涼んでいる。最近内大臣が落とし胤の姫君を引き取ったということが話題になった。源氏は、そうまでして娘を欲しがっているのなら、玉鬘を実の子と知ればさぞや大切にするだろうと思うのだった。
玉鬘の局に行くと和琴が置かれてあった。よく弾きこなしてあるようできちんと調律されている。源氏は内大臣こそが和琴の名手なのだと語りながら、自ら弾いてみせる。玉鬘はその音色に夢中になって、あれほど厭わしく思っていた源氏にようやくうちとけるようになった。源氏はあまりの愛らしさに、いっそのこと蛍兵部卿宮を婿にしてそれからこっそり関係しようかなどと、あらぬことを考えている。
一方、内大臣は人知れず田舎で育ったわが娘、近江の君を邸に迎えたものの、その扱いに苦慮していた。近江の君はこれを好機と、声高に自分を売り込むのであった。
木村朗子(田口榮一監修『すぐわかる源氏物語の絵画』東京美術より)
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