あらすじ
葵の上腹の夕霧が元服のときを迎えた。源氏の長子なので四位の位が予想されたが、源氏は六位につかせて大学での学問に励ませた。期待にたがわず夕霧は、すぐれた学才を発揮する。
そのころ立后のことがあって、源氏が後見する斎宮の女御が、先に入内していた弘徽殿女御をひきこして中宮の位についた。期待がはずれた内大臣(もとの頭中将)は娘の雲居雁の東宮入内を考える。雲居雁は夕霧とともに内大臣の母、大宮に一つ邸の中で育てられ、実は思い合う仲だった。内大臣はそれを知って激怒し、雲居雁を自邸に引き取って二人を引き離してしまう。夕霧はおのれの地位の低さが原因と、源氏の厳しさがうらめしく、五節、朱雀院行幸と引き続く華やかな催しにも気分が晴れない。やがて一年が経ち、夕霧は侍従に昇進した。源氏は六条御息所の邸と周囲の地所を得て、四季折々の庭をしつらえた壮大な六条院を造営する。ようやく明石の君もともに住まうことになった。
木村朗子(田口榮一監修『すぐわかる源氏物語の絵画』東京美術より)
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