あらすじ
源氏は桐壺院のための追善供養を催した。故徽殿大后は病に臥し、今や人々はみな源氏方になびいている。東宮が十一歳になり元服すると、朱雀帝は譲位し、年若い新帝の後見役には引退していたかつての左大臣がついた。
明石の君には女の子が誕生し、「御子は三人。帝、后となる人が必ず生まれ、いま一人は太政大臣として位を極める」という予言通りに運ぶようである。須磨、明石でのつらい日々はこうしたことのための宿命であったのだろう。これを導いた住吉の神への願ほどきのため、源氏は住吉詣でを盛大に催した。同じ日、なにも知らずに明石の君の一行が住吉詣でにでかけていた。煌々しい源氏の一行と行き合い、明石の君はあらためて身分の違いを思い知るのであった。
新帝即位で斎宮も代わり、六条御息所が帰京したが、再開した源氏に娘の将来を託すと、あっけなくこの世を去ってしまった。源氏はこの娘をひきとって、新帝入内を準備する。
木村朗子(田口榮一監修『すぐわかる源氏物語の絵画』東京美術より)
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